第32回 全国子どもとことば研究集会
【講演2】
18日(土)14:45〜16:45

「子どもたちに ことばの心地よさを」
〜ことば遊びの楽しさを参加者も一緒に体験しましょう〜

子どもとことば研究会代表・元立教女学院短期大学教授 今井 和子

リズム遊び・わらべ歌講師 太田 ちえ
NPO法人子ども育ちのひろば 河合 清美


概要

 まずは、当研究会30周年に発刊した「子どものことば 〜心の育ちを見つめる〜」の本の中から、 昔も今も変わらない子どものことばの面白さとその特徴について、実際のことばを例にあげ紹介する。
1)ユーモアがあり、真実を手づかみにするような鋭いことば。「このアリ、人生が続かなかった」(6歳)
2)音楽のようなリズム感のあることば。「おかあさん、風さんがね、ほんめくってよんでたの。はい見た、はい見た、はい見たって、ぱらぱらぱらーってぜんぶ見て、見たよって、どさっておいたの。そしてね、まためくったんだよ」(5歳)
 「幼い者は、鋭い感受性で物事の最も本質的な部分を感じ取っている」という井上靖のことば通りである。が、現代は、スマホやテレビの影響で親子の肉声の心地よい語り合いが少なくなり、乳幼児の聴く力や、表現する力が弱くなっている。そこをなんとか解消していくために、園でぜひあやしことばやことば遊びなど豊かなことばのスキンシップを楽しませていく必要があることを訴え、後半はその実践を展開する。

 講演を聞いてくださった方々の感想から、「スマホの普及で子どもたちの育つべきことばが失われつつあることに危機感を持った」「子どもたちのことばの鋭さと素直な表現にとても癒されました。」「これからぜひ子どものつぶやきに耳を傾けていきます」「ことば遊びの楽しさを再確認できました」「園に帰ってぜひ子どもたちと楽しみたいです」など、たくさんの励ましのメッセージをいただきました。

 後半は、太田ちえさん、河合清美さんを講師に、手作りおもちゃの人形製作や、それを使ったわらべうた遊びの実践を楽しみました。参加者自身、わらべうたの心地よさを体感し、「園でも、ぜひ子どもたちと一緒に楽しみたい」という感想が多く寄せられました。