21日・講演2
「子どもと大人のメディエーター」
本田和子(ほんだ ますこ)

内容
 子どもの数がすくなくなった。それぞれの家にも、街のあちこちにも、幼稚園や小学校にも…。そして、大人たちは、いつの間にか、子どもに対して無知になり、それゆえに不寛容になり、無意識のうちに「子ども嫌い」になり始めている。子どもの数が減っていくことは、成熟社会の必然性として避けることは出来ないだろう。しかし、子どもが少ないことで、大人たちが知らぬ間に「子どもに不寛容」で「子ども嫌い」になっていくとしたら、そんな社会は、子どもにとっても大人にとっても、息苦しく住みにくい社会に相違ない。いま、私たちには、「子どもと大人の間を媒介するメディエーター」として、新しい使命が委ねられているのではないだろうか。

講師プロフィール
お茶の水女子大学家政学部教授、家政学部長を経て、1996年に当大学名誉教授、2001年に当大学初の女性学長に就任。退官後、子どもと女性、その周辺をユニークな視点から論じ続け、「子ども学の第一人者」として活躍している。
著書
「異文化としての子ども」筑摩書房
「それでもこどもは減っていく」ちくま新書
「子どもが忌避される時代」新曜社
「子どもたちのいる宇宙」三省堂
「子どもという主題」大和書房
他多数